8月5日(土)、種子島で宇宙をテーマにした新しい芸術祭が始まりました。世界で最も美しいロケット打ち上げ場があるといわれるこの地で、宇宙を身近に感じるきっかけをつくり出す取り組みです。
テーマは「自然と科学と芸術の融合」です。2017年は横浜や札幌をはじめとした日本各地、くわえてヴェネツィア・ビエンナーレやミュンスター彫刻プロジェクトなど、世界中でアートプロジェクトが開催されています。中でも種子島宇宙芸術祭は、夜さえも美しい芸術祭として世界的に独特です。
種子島宇宙芸術祭(11月12日まで)
http://space-art-tanegashima.jp/
宇宙ラボのメンバーも、現地に見に行きました。数々の作品からその一部をご紹介します。
夜も美しい芸術祭
スーパープラネタリウム(大平貴之)
干潮のときにだけ入れる洞窟「千座の岩屋(ちくらのいわや)」に、MEGASTAR-IIを用いて360度、星空を投影します。一年のうち、夜と干潮が重なるのは限られた日だけ。今年は11月2日(木)〜5日(日)の夜限定で、開催予定です。
大平 貴之(おおひら たかゆき)
1970年生まれ。プラネタリウム・クリエーター。投影星数560万個のMEGASTAR-II cosmos がギネスワールドレコーズに認定されました。愛知万博をはじめとした各地での移動公演の他、アーティストとのコラボレーションなどを積極的に行い、プラネタリウムの新機軸を確立。
はじまりはじまり(ミラーボーラー)
アート集団ミラーボーラーは、ダンスホールなどの演出装置で用いられるミラーボールを大規模に設置し、幻想的な光空間を創出します。この作品は、全国で行う「たまごプロシェクト」の一つ。廃校の武道館跡を舞台に、卵が孵化しドラマチックに光があふれ出る様子は、宇宙の混沌から生命の誕生までを想起させます。
ミラーボーラー
数百個のミラーボールを使って光と反射の幻想空間を創りだすアート集団。メンバーはグラフィックデザイナー、写真家、照明家、美術講師など様々です。2003年夏に世界的ロックフェスFUJI ROCK FESTIVALに会場装飾として参加以降、ライジングサン・ロックフェス、カルティエ新作披露パーティーなど数々のイベントなどにおいて作品を発表しています。
ペイントフェアリング・5S-H 型改(中村哲也)
ロケットのフェアリング(ロケットの先端部)を用いた、世界初の作品です。実際に打ち上げられ、回収されたものを使用しています。作家本人がデザインして打ち上げたロケットの、残骸による展覧会が開催されると設定しました。実際に宇宙に飛び立ったロケットの破片がそこに展示されることで、仮想と現実の狭間に思いをめぐらすことができます。
中村 哲也(なかむら てつや)
1968 年生まれ。1994 年東京芸術大学院美術研究科修了(漆芸専攻)。1998 年より「スピード」という現代を象徴するテーマをとりあげ、自らつくり出した最速フォルムを、より速そうに進化させる「レプリカシリーズ」の展開をはじめます。今にも超高速で走り出しそうな機体を、確かな技法をもとにして本物のようにつくり出し、「視覚的な」速さで、見る者に直感的な快感を与える作品になっています。
ペットボトルロケット(森脇裕之)
種子島宇宙芸術祭総合ディレクターを務める、森脇氏の作品です。リサイクルされたペットボトルを積み上げています。障害者支援センターこすもの協力を得て制作されました。夜間はライトアップされます。
森脇 裕之(もりわき ひろゆき)
1964 年生まれ。多摩美術大学美術学部情報デザイン学科教授。LED を用いたインタラクティヴなインスタレーション作品で知られています。水戸芸術館「宇宙の旅」展(2001) をきっかけに、東京都現代美術館「ミッション[宇宙×芸術]-コスモロジーを越えて-」展(2014)にも参加。
後編では、宇宙に思いをはせるコンセプチュアルな作品を紹介します。